この記事ではILP（高度イノベーション博士人財育成ユニット）のユニット長，工藤成史先生にILPの紹介記事をご寄稿いただきました。
理学部・理学研究科の学生全員にILPを知ってほしいです！この記事を読んで興味関心を持ったらぜひともILPにアクセスしてください！！

博士後期まで進むと、学内には同期の仲間が少なくなります。日常会話の相手が、研究室の仲間に限られてしまうなんてことも起こりがちです。議論の相手が、自分の専門分野の人だけになるかもしれません。

博士は専門のことだけ分かっていれば良いという考え方もありますが、それって、何だか物足りなくありませんか。視点を変えて社会の側から見ると、博士は幅広い知識を持った人というイメージがあります。また、税金を投入して育てた博士に、いずれは社会のためになることをやって欲しいという期待感もあります。

ILPでは、一人前の研究者としての入り口に立っている博士学生とポスドクの皆さんが、分野を越えて交流するための場（イノベーション創発塾、オンライン交流会など）を提供しています。そこでは、研究の場では普段意識しないけれど、今後の研究者としての人生では大切になることについて、講義や仲間との対話を通じて、自分なりの知識や感覚を磨いていきます。

ILPでは、さらに、今後のキャリアを考え始める段階から、行き先を決める（内定先を得る）段階までを支援する取り組み（個別支援、ジョブフェア、インターンシップコーディネートなど）も行っています。アカデミアから産業界まで、幅広い選択肢について見識を広げ、自分に適した進路を探していきます。その過程で、分野外の人たちに、自分の研究を分かりやすく伝える訓練なども行います。この訓練を通して、自分の研究の本質は何なのかという理解が深まる効果もあります。

単なるキャリア支援ではなく、皆さんが成長するプロセスを支援するのがILPの役目だと私たちは考えています。ILPプログラムへの皆さんの積極的参加をお待ちしています。

ILP　工藤成史