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博士就活ケーススタディ(2)

博士の就活の実際の姿を紹介するスキャンダラス企画「博士就活ケーススタディ」第2弾です!

 

今回事例を提供してくださるのは理学研究科 物理学専攻 (素・核、実験)D3の中居真之介くんです。来年から大手重工メーカーにて、研究開発職として働くことが決まっています。中居くん、就職おめでとう!

youtubeに取材の概要をまとめた動画をアップしています。まずはそちらを御覧ください。

 

この記事では事例の詳細について根掘り葉掘りしていきます。

 

博士なのに修士式就活…けど良い企業に就職決定

中居くんの就活の特徴は「博士なのに修士と一緒に就活をした」という点につきます。これはあまり良い方法ではないのですが…。
それでも中居くんの場合は、結果的には非常に良いところにあっさりと就職しています。恐るべし、中居真之介。
この記事では中居くんの就活の顛末をざっと見直して、彼の就活の成功を生んだ要因について考えてみましょう。

 
地力はバッチリ、自己分析もバッチリ

中居くんの就活がスタートしたのはD2の11月です。この時期にワンデー職業体験(いわゆるワンデーインターン)に参加したのが就活の始まりでした。が、実際のところワンデー職業体験はたいして役に立たなかったそうです。それはそうですよね。たった一日の経験でなにか劇的な変化がある、なんてことはめったにありませんから。

その後、中居くんには12月にキャリア支援室が行った「博士の学生の強みに関する調査」に協力していただきました。この調査のオプションとして学生の自己分析を手伝いまして、中居くんもその対象者の1人でした。

中居くんの話を聞くと、指導教員の先生は「学生にかなりの自由裁量を与えつつも、学生の研究や学生自身の状況についてはきちんと心配りする」という博士の指導のゴールデンスタンダードに則った素晴らしい研究室経営をなさっていたとのことです。こうした環境のもとでのびのびと研究できたこともあって、中居くんの専門知識、研究のスキル、研究実践力は非常に高水準に至っていました。つまり地力があったということです。中居くんにとっては、この地力が就活における最大の、というか唯一の武器でした 笑。まぁキャリア支援室としては笑ってる場合じゃないんだけど・・・

 

成り行き任せの就活スタート!!

その後、12月末に行われた専攻の就活説明会に参加。ここで「3月から就活スタートだぞ」という修士向けの説明を博士なのに真に受けて、3月まで就活おやすみ。始まる前に休んでるやないか! まぁ良いけど。

3月からエントリースタート!自分の専門性が活きるメーカーとSIerに対してエントリー。その中で最終的に内定を頂いたあるメーカーから研究本部にエントリーするように提案されます。

企業からの提案を受けた後は、面接につぐ面接だったそうです。D2の3月にはジョブマッチングということで、技術本部と3回面談。その後、人事部の面接に進みここで更に3回面接(人事面接、技術面接、役員面接)。これを無事に乗り切って、見事に5月頃には内定ゲットとなりました。コロナ禍の影響で選考スケジュールが後ろ倒しになっていたことに鑑みると、内定ゲットはかなり早いほうだと思います。

 

小手先のテクニックよりも地力で勝負
でもテクニックもちょっとは覚えてよ  |ω·`)

企業からの「研究本部にエントリーしてみ?」という提案がなければ今回の就職はなかったわけですから、この提案が中居くんのターニングポイントになったことは間違いありません。これから就活する学生の立場で言えば、問題はこのような提案を手繰り寄せることができた原因は何なのかという点です。

1つのよくある回答は、それは運だ、というものです。まぁご縁と言ったりもします。この説明は正しいところもあると思いますが、おそらく、原因はそれだけではないでしょう。上にも書いたとおり中居くんの研究者としての地力が評価されたということも1つの原因だと思います。

実際、これまでの理学研究科の学生の中には、ろくな就活対策もしないまま手ぶらで就活戦線に躍り出て、なんだかんだで良いところに就職を決めてくる学生がかなりいます。中居くんは、この意味では理学研究科の博士の典型例だとも言えます。

小手先のテクニックがゼロなぶんだけ、博士の就活において地力(専門性、研究スキル、研究実践力)がどれだけ重要なのかが浮き彫りになっています。ただまぁ私としては多少はテクニックも覚えておけよとは思いますけど・・・。地力のある博士の学生が適切な就職活動をすれば「鬼に金棒」ですからね。

 

ということで、次回の動画はこのあたりの金棒=適切な就職活動とはなにかについて、ちょっとした動画をお届けします。こちらも乞うご期待!

 

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