就活のヒント

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Vol. 4 スケジュールその3 インターンシップ編

2020年現在、インターンシップは非常に多様化しています。

もともとインターンシップは「数日かけて行う職業体験」を意味する言葉でした。働くということはどういうことなのかを経験的に学ぶ。あるいは特定の業界や職種の雰囲気はどんな感じなのか体験する。そういうものをインターンシップと読んでいました。

昨今は「1日(ワンデー)インターン」なるものが登場しています。インターンシップという名を冠してはいますが、1日インターンの内実はほとんど企業説明会です。コロナ禍の影響もあって、この手のワンデーインターンをオンラインで行う企業も増えているようです。1日インターンについては、そもそも職業体験としての意義がないとか、学生の青田買いにつながるとか、批判もあります。とはいえ、忙しい博士の学生にしてみれば、1日インターンも(それをインターンと呼ぶべきかどうかは微妙ですが)1つの選択肢ではあると思います。

1日インターンとは逆に、非常に長期に渡るインターンシップも登場しています。これは「長期インターン」とか「実践型インターン」とか呼ばれます。長期インターンでは、企業の通常業務に社員の1人として取り組んだり、現場の課題に対する解決策を企画提案したりします。また、これは地方の抽象企業に多いように思いますが、企業が新規に取り組もうとしているプロジェクトに学生が参加するというプロジェクトタイプのインターンシップもあるようです。

 

インターンの様々な形(1日インターンは入ってません)
※ 文部科学省『教育的効果の高いインターンシップ実践のための コーディネーターガイドブック』より抜粋

 

博士の学生の場合に、実践型インターンシップに該当するのは「研究インターンシップ」になります。これは文字通り企業の研究開発にかなり長い機関(数ヶ月程度)携わるというタイプのインターンシップです。東北大学では「産学協働イノベーション人材育成協議会」が運営する研究インターンシップのマッチング事業「C―ENGINE」に参加しています。

 

選択肢が出揃ったところで、インターンシップに参加するべきかどうかを考えるポイントを整理しましょう。

 

まず、職業全般あるいは特定の業界や職種の実態をのぞいてみたいという気持ちがあるのであれば、従来型インターンに参加してみましょう。従来型インターンは民間の求人紹介サービスを使えば簡単に見つけることができます。

 

しかし、研究で忙しい博士の学生にとって、インターンシップに参加する時間をとるのは容易ではありません。そういうときは1日インターンも活用していいと思います。博士の就活には「解禁日」なるものはありません。自分の好きなタイミングで好きなことをしてOKです。1日インターンに対する批判は、博士にとってはあまり関係ありません。(内容が企業説明会とかわないという点は多少は問題かもしれません。)

 

研究インターンシップはどうでしょうか。研究インターンシップへ参加するとかなり長い間、博士論文の研究を離れることになりますので、研究インターンシップは気軽に参加するような類のものではありません。また、そもそも博士の学生は大学で研究という仕事に取り組んでいるので、研究開発の職場体験はもう嫌になるほど積んでいると言ってもいいはずです。よって、民間企業の研究開発職につきたい→よし研究インターンシップだ!という発想は短絡的すぎます。どうしても狙っている企業・業界があるとか、長期インターンシップでその業界・企業に特化した実践力を身につけてそれをアピールしたいとか、明確な目的意識がある場合に限り、研究インターンシップへの参加を勧めます。

 

インターンシップに限らず、博士の就職活動では自分自身をよく見つめ直し、自分に本当に必要なことは何なのかを考えることが大事です。「インターンに行きゃぁ良い」ということはありません。

 

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